【いま、一番オススメしたいお笑い番組】Vol.3『ゴッドタン 〜The God Tongue 神の舌〜』
［テレビ東京系列 毎週土曜深夜25:45～26:10放送（地域によって違います）］
攻め続ける、視聴率1%の長寿番組！
すでに12年を超える歴史を持つ長寿番組を今さらオススメするというのもなんですが、本音ドキュメント系のお笑いバラエティの中でも、やはり今でもいちばん攻めていて、業界をリードしている、パワーの衰えない老舗番組ですので、取り上げないわけにはいきません。
そのうえ、これほど長く続いていて、番組から様々なスターが誕生し、DVD化や映画化までされていながら、視聴率は安定の1%台というのも、取り上げなければならない理由のひとつです。
「業界視聴率が最も高い番組」という評判もあるのに、それで1%と言ったら、一般の方はほとんど誰も見ていないということですから。
せめてお笑い好きには見て欲しいと思い、あらためここで最近の傾向や見どころなどを紹介させていただきます。
名物企画〈マジ歌選手権〉から、新たなスターが誕生
劇団ひとりとおぎやはぎのMCによる『ゴッドタン』の名物企画と言えば、「キス我慢選手権」や「マジ歌選手権」が有名です。
どちらもお笑い芸人の本音や本性が剥き出しになるドキュメント系の企画で、ゴールデンで特番として放送されたり、映画化までされる大ヒット企画になりました。
「マジ歌選手権」ではバナナマン日村の「ヒム子」というキレキレダンスを踊るキャラなども人気を博していますが、芸人たちの日頃の鬱憤や悲喜こもごもが本音で歌われる歌詞にも注目です。
その「マジ歌選手権」から最近では、ハライチ岩井がブレイクしました。
『OWA LIAR』『忘れねぇからな』という、もはや名曲と言っても過言ではないほど完成度の高いマジ歌で、お笑い界の現状を激烈にブッタ斬った、身を削った切れ味の鋭さは圧巻でした。まさに伝説の神回です。
名言連発！「腐り芸人」の誕生
ハライチ岩井はそれをきっかけに「腐り芸人」というキャラが付き、その本音トークから数々の名言も生まれました。
「お笑いじゃなくて、『お笑い風』」
「ゴールデンの30点のお笑いを、100点だと思っている芸人が売れる」
「30点ぐらいのフレーズなのに、MCという立場を使って大笑いをかっさらっていく。ほんと泥棒なんですよMCは」
「モデルなんか、足にクリーム塗ってるだけの職業じゃないですか」
「ゼロから笑いを創造できない人間って、『下請け』じゃないすか」
「ママタレ、イクメンのブログには『わたしは、わが子でお金稼ぎをするために以下の文章を書いてます』って書いとけ」
などなど、名言・金言には枚挙にいとまがありません。
腐り芸人たちの熱いお笑い論
ハライチ岩井を中心とした、「腐り芸人」を集めた企画も度々組まれることとなりました。『ゴッドタン』の様々な企画の中でも、最近ではこのシリーズがイチ推しです。
「腐り芸人」とは、コンビ間格差やテレビ業界の理不尽な現状、理想と現実のギャップに、すっかり気持ちが腐ってしまった芸人たちのことで、ハライチ岩井以外にも、平成ノブシコブシ徳井、三四郎相田、インパルス板倉、若手ではウエストランド井口、Aマッソ加納、鬼越トマホークなどが、「腐り芸人」として本音トークをぶちまけました。
彼らのトークが面白いのは、お笑い界の中心のすぐそばに居ながら、微妙に疎外されていることで、一歩引いた客観的な視点でのお笑い界の現状分析が見事に的を射ているからです。
また、岩井や徳井、板倉、加納などは、その対策や、売れる方法論もわかっていながら、それだけはやりたくない、できないというお笑いに対する信念や強いこだわりを持つタイプです。
それを語る彼らのお笑い論は時に熱を帯び、MCの劇団ひとり、おぎやはぎも巻き込んでの熱いお笑い論で盛り上がることもしばしばです。
結局、「腐り芸人」というのはお笑いに熱すぎるが故にTV向きじゃない人たちのことなのかもしれません。
「腐り〇〇」が流行語に!?
つい先日は、さらに派生して「腐りグラドルグランプリ」も開催され、お笑い界よりもさらに過酷で悲惨なグラビア界の現状が、現役グラビアアイドルたちによって赤裸々に語られました。これもまたシリーズ化されそうな衝撃の内容でした。
今後もいろんな業界の「腐り〇〇」にスポットが当てられそうで、ひょっとしたら「腐り〇〇」が流行語大賞にノミネートされたりするなんてこともも有り得るんじゃないかと、ひそかに期待しています。
流行語大賞の授賞式にハライチ岩井が腐った顔つきで出てくる姿をぜひ見てみたいものです。
これからの『ゴッドタン』の展開に注目！
しかしその岩井も、「この番組で腐り芸人というキャラをつけてもらったのはいいんですけど、特に仕事は増えない。需要はないんですよね」とやはり腐り気味に語っていたように、視聴率1%台の番組でブレイクしたといってもまだまだ世間の認知や人気につながるには至らないようです。
なのでお笑いファンのみなさんにはぜひ、これを機会に腐り芸人たちにも、そしてあらためて、衰え知らずのパワーで攻め続ける『ゴッドタン』の新たな展開にも、注目してみてほしいなと思います。
ゴッドタン「お笑いダークサイドパック マジギライ芸人VS腐り芸人VSエロ芸人」
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