レジェンド芸人たちが語る松本人志【内村・紳助・さんま・志村けん・とんねるず】

『キングオブコント2018』最終結果の順位、優勝者ハナコとファイナリストたちを徹底分析!!


どーも、『キングオブコント2018』の優勝者・ファイナリスト予想でハズしまくって恥を晒したお笑いWEBライターのgoroです。どーも、すみません。

まあそれはとりあえず置いておくとして、今大会はいつにも増して全体にレベルの高い「当たり年」だったと思います。

その高いレベルの中で、結成4年(芸歴8年目)の若手ハナコはなぜ優勝できたのか?

他のファイナリストたちの敗因、その闘いを終えた本音とは?

キングオブコント 激闘の裏に見えたもの

『キングオブコント2018』の激闘の裏側を、最終順位と共に徹底分析してみたいと思います。

【10位】やさしいズ(419点)

芸歴8年目 よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属

https://www.instagram.com/p/BoB7huJHbkx/?tagged=%E3%82%84%E3%81%95%E3%81%97%E3%81%84%E3%82%BA

今大会のトップバッターとして登場した彼らだったが、結果は最下位だった。

本人たちはネタを普段通り、完璧にこなしたと言う。独特の空気感や間、ボケのタイのチョイやんちゃ系男子のリアルな口調が面白かった。

しかし、審査員のダウンタウン松本は開口一番「ボケの子の方が緊張しているのか」「ちょっと微妙に間がアレかなあ」と松本は評した。M-1でもKOCでもトップバッターには必ず基準点となる「85」をつける松本がこの日は「82」をつけた。その微妙な違和感に-3としたのだろう。

審査員のさまぁ~ず三村は「もうちょっと笑いの空気が出来上がって来た5番目ぐらいに見たかったチームなんですよ」と言い、思わずタイが「それなんですよ、ほんとに」と返す場面が見られた。バナナマン設楽もやはり「トップバッターのネタじゃなかったんだよ」と同じことを言っていた。

年に一度のビッグステージの開始早々の高揚感・緊張感に彼らのゆる~いコントのスタイルはそぐわなかったのかもしれない。

彼らの独特の空気感も独特の間も、タイのリアルに素人っぽい喋り方も、単純に粗削りで未完成のものとして伝わったようだ。

大会直後に無料動画サービスGYAO!で生配信された『キングオブコント2018大反省会』でタイは「6番目だったら優勝してたのに!」と悔し紛れの本音を漏らす場面もあった。

ただし、この大会でダウンタウン松本は以降のファイナリストたちの審査コメントのたびに「やさしいズより12点高い」「やさしいズより2点低い」と、しつこく彼らの名前を連呼してイジり続けた。
このことはこの日の彼らにとって、心優しき笑いの神さまからの思わぬプレゼントになったことだろう。

【8位】GAG(437点)

芸歴13年目 よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属

https://www.instagram.com/p/BjR7VYWnqDe/?tagged=gag%E5%B0%91%E5%B9%B4%E6%A5%BD%E5%9B%A3

昨年は「GAG少年楽団」として、今年は改名して「GAG」としての2年連続出場。個人的に前の名前があまり好きじゃなかったので改名してスッキリした。

紹介VTRでは南キャン山里は「GAGはクセになる。教室の隅っこから、教室の真ん中ではしゃぐやつを遠目に見てた人間とか、僕みたいに屈折した人間には刺さりすぎるぐらい刺さる」と評した。

この日のネタも、宮戸によるめちゃくちゃ仕上がったバイト先の先輩の女性をイケてない高校生が憧れる、あるあるボケ多めの、ちょっと良い話っぽい展開のわかりやすいコントだった。

大反省会では小峠も「めちゃくちゃ面白かった」と絶賛したが、結果はだーりんずと同点の8位。昨年は最下位だったが、大きくジャンプアップするには至らなかった。

【8位】だーりんず(437点)

芸歴8年目 SMA NEET Project所属

https://www.instagram.com/p/BgY1_F8FGoE/?tagged=%E3%81%A0%E3%83%BC%E3%82%8A%E3%82%93%E3%81%9A

居酒屋で偶然後輩たちと出会った会社の上司が、後輩たちのテーブルの会計もこっそり払ってカッコつけようとするものの、なかなか思うようにいかないというわかりやすいネタ。

ワードも面白く、ツッコミの松本の上司役がよく似合っていてわたしは楽しかったが、会場のウケはもうひとつ盛り上がっていなかったようだ。

審査員もダウンタウン松本はこの日の最低点80点をつけたが、さまぁ~ずの2人は高得点と、人によって好みが別れたようだった。

『大反省会』で同じ事務所の先輩バイきんぐ小峠が「あのネタ知ってるけど、緊張のせいか後半につれて速くなっちゃってた」と語ったように、完璧な出来とはいかなかったのかもしれません。

結果はGAGと同点、2年前の出場時と同じく8位でした。

【7位】マヂカルラブリー(443点)

芸歴12年目 よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属

https://www.instagram.com/p/BoBmBS_HNCC/?tagged=%E3%83%9E%E3%83%82%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%BC

紹介VTRでは一切フザけることなく「おれたちは本気です!」と真剣な表情でその意気込みを語ったマヂカルラブリー。

M-1の漫才とはうってかわって、タイムループという設定の一風変わった作り込んだネタで、面白かった。

昨年末のM-1に続き、キングオブコントでもファイナリストとなるなど、漫才でもコントでも好結果を出している現状に、『大反省会』では自ら「面白すぎるハイブリット芸人」と自称するものの、バイきんぐ小峠に「優勝してないんだからそこまでではない」とたしなめられる場面も。

結果は7位と中途半端だったためボケの野田クリスタルは、ダウンタウン松本らにさんざんイジられた10位のやさしいズを「うらやましい、僕らが最下位になりたかった」と言い、ツッコミの村上も「(上沼恵美子に酷評されて名を売った)あの快感が忘れられなくなっちゃって」と、M-1とキングオブコント両方で最下位になってイジられたかったと語って笑わせた。

たしかに両方の決勝で最下位ならまたちがう意味で注目を浴びただろう。名前もさらに売れて、当分のあいだはそれでイジられトレードマークにもなる、芸人としてはおいしかっただろうなあと思う。

【6位】ザ・ギース(458点)

芸歴15年目 ASH&Dコーポレーション所属

https://www.instagram.com/p/BeNyDfQH7qc/?tagged=%E3%82%AE%E3%83%BC%E3%82%B9

刑事とサイコメトラーが殺人事件の捜査をする、VTRをメインに使った、ドラマチックに展開するネタ。本人たちはこのネタのチョイスを「大博打だった」と言う。

この大会では異質のネタで、その意味では目立って印象に残るネタではあったと思う。

結果は6位に終わったが、審査員のバナナマン日村も「これで最終決戦に行けないなんて、あらためて今大会は相当レベル高いなと思いました」と評した。

ドラマチックな展開を見せる後半は、どうしても笑い声の量が少なくなってしまうため大会に不向きなネタとも言え、さまぁ~ず三村は「そうじゃないほうがよかった」と評し、しかし司会の葵わかなは「衝撃だった」と、賛否両論で好みが分かれる結果となったようだ。

本人たちは、実は見た目より緊張していて、冒頭から噛んでしまうなど、今回は反省と後悔の多い大会だったようだ。

【5位】ロビンフット(462点)

芸歴19年目 SMA NEET Project所属

https://www.instagram.com/p/BbKMHYihYIY/?tagged=%E3%83%AD%E3%83%93%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%83%E3%83%88

息子が父親に結婚することになったと話すが、相手の女性は戌年とは言うものの年齢がよくわからない、というネタ。

紹介VTRではアキラ100%が「芳醇な、熟したコント」と評したように、ベテランの味が濃厚な、細かいところを拾いながら小ボケから中ボケへ、そして大ボケへとリズム良くエスカレートさせて展開させていく、とてもわかりやすい、幅広い世代に受け入れられるコントだろう。ダウンタウン松本も96点と高得点をつけた。

『大反省会』ではちょっといい裏話も披露した。

R-1とキングオブコントと、連続でファイナリストとなったボケのおぐは、実はこの前日に入籍したそう。ツッコミのマー坊は「ネタの最後に僕が『アキヒロ、幸せになれよ!』ていうセリフあるんですけど、あれ8割本気で言うてました」とのことだ。

ちなみに結婚相手は戌年ではなく、申年だそう。

【4位】さらば青春の光(463点)

芸歴11年目 ザ・森東所属

https://www.instagram.com/p/BoEbJ0rnvvC/?tagged=%E3%81%95%E3%82%89%E3%81%B0%E9%9D%92%E6%98%A5%E3%81%AE%E5%85%89

過去最多、6回目の決勝進出で、今回は予備校の教師と「鼓舞する人」のネタ。

三村マサカズは「年々面白くなってる」と絶賛し、ダウンタウン松本は「(森田が)教室から出て行った後の歩く速度が面白い。あれより速くても遅くてもダメだからね」とコントの細部まで評価していた。

わたしは前回の優勝予想記事で、このさらば青春の光が大本命と予想したが、残念ながらハズれてしまった。彼らが最終決戦にも行けなかったという事実はわたしにとってもなかなかの衝撃だった。

しかし、1stステージ2位から5位までの4組は実はたった6点しか差がなく、どの組が最終決戦に残ってもおかしくないほど拮抗していた。
3位のハナコと4位のさらば青春の光は、たったの1点差で明暗を分けてしまった。これこそが今大会のレベルの高さを象徴していると思う。

紹介VTRでは今年こそ絶対に優勝するという意気込みで、「今年がラストイヤー」と話した。『大反省会』でも森田は「もう勝ち方がわからないので、ホントにもう今年で終わりです。来年は出ません」と断言した。

しかし東ブクロのほうは、どうやら森田の気が変わることを望んでいるようだし、ファンももちろん出てほしいし、撤回を大いに期待している。

全盛期を過ぎたベテラン芸人でもあるまい。彼らは今が全盛期真っただ中なのに、今ビッグステージから降りるなんてあまりにも、もったいない。

優勝するまで何年でも出場し続けてほしいと思う。

【3位】チョコレートプラネット(478+440 計918点)

芸歴13年目 よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属

https://www.instagram.com/p/BoB5pdSn4Hr/?tagged=%E3%83%81%E3%83%A7%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88

IKKOと和泉元彌のモノマネでテレビ出演も激増している売れっ子のチョコプラだが、紹介VTRで、「おれたちはモノマネ芸人じゃない、コント師なんだ!」と高らかに宣言して今大会に臨んだ。

「ここ1~2年で僕らのことを知った人は、僕らのコントを見ていない。コントもできるぞっていうところを見せたい」とも語ったが、できるどころか、彼らのコントはほんとに傑作が多いし、斬新なオリジナリティがありながらもわかりやすい、理想的なバランスのコントであり、ハマったら笑いが止まらなくなるような爆発力も持ち合わせている。

この1本目のシチュエーションスリラーのパロディみたいなネタは以前からやっているネタだが、案の定会場は爆笑の連続、三村97点、大竹98点、松本97点をつけ、この日の最高得点となった。

しかし残念ながら、最終決戦ではネタのチョイスを間違ったか、大スベリしてしまう結果となり、惜しくも優勝を逃してしまった。

『大反省会』では、長田も1stステージ終了時には「よっぽどのことがない限り優勝できるだろうと思っていたら、よっぽどのことがありました」と放心するように語った。

ダウンタウン松本は2本目のネタを「小道具に頼り過ぎた」とコメントした。

わたしも同感で、小道具の面白さはたしかに他のコント師には無い彼らの魅力ではあるけれど、でもチョコプラの一番の面白さは単純に2人の掛け合いと、演技力による面白さだとわたしは思うのだ。

長田も大反省会で「ロッチさん!飲みに連れて行ってください!」と心の叫びを漏らしていた。ほぼ優勝に手がかかっていたのに逃してしまった彼らは、たしかに2015年のロッチを思い出させるものだった。

実は1本目のネタは、点数まで2015年のロッチの1本目とまったく同じ478点というすごい偶然も起こっていたそうで、小峠は思わず「ロッチの呪い」と口にしたほどだ。

優れたネタが他にも山ほどあるので、今回は絶対に優勝できると思っただけに残念。来年に期待したい。

【2位】わらふぢなるお(468+454計922点)

芸歴9年目 グレープカンパニー所属

https://www.instagram.com/p/BoBttkPHk8z/?tagged=%E3%82%8F%E3%82%89%E3%81%B5%E3%81%A2%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%81%8A

紹介VTRで、事務所の先輩サンドウィッチマンが「日常でもしかしたらこういう人いるかもしれない。こいつ腹立つなあっていう見方ですね」と言い、「あるある」「いそういそう」をさらに深化させた、凄い切り口のキャラが斬新だった。個人的にはこの大会で一番好きになったネタでした。

ボケのふぢわらは大反省会で「できれば1本目のネタを2回やりたかった」と語ったが、半分ボケの、半分は本音だろう。とにかくずっと笑っていられる新たな名作コントの誕生だと思う。

2本目のネタは少しわかりにくかったせいか、笑いも少なく残念だった。さまぁ~ず三村は「途中、家で2人でやってんのかなっていう感じで」と言い、さまぁ~ず大竹も「リハーサルかなって思う場面も」と厳しい評価もあった。

昨年は面白かったのに評価が低かった印象だったが、今年は独創的な面白さがちゃんと評価され、最終的に2位となった。

『大反省会』でも、とにかく隙あらばボケまくるふぢわらを見て、ぜひ彼らをバラエティ番組でも見たいなあとも思った。

【優勝】ハナコ(464+472計936点)

芸歴8年目 ワタナベエンターテインメント所属

https://www.instagram.com/p/BoD2OjdHL7w/?tagged=%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%AA%E3%83%96%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%882018

激戦の今大会を制したのは、結成からわずか4年(芸歴は8年)、平均年齢29才のトリオ、ハナコだった。

1本目の犬のネタは、普通の擬人化とは微妙に違う、新しいスタイルで犬を表現していて、新鮮味があって面白かった。なにより、犬が絶妙に可愛く見える。ダウンタウン松本も「達者だなあと思った」と評しました。

そして2本目のネタ「わたしをつかまえて」はその発想の斬新さと突拍子もなさを、面白い動きを使ったわかりやすさで爆発させ、ウケにウケまくって1本目を上回った。

バナナマン設楽もこの日最高の97点をつけ「いやハナコ、マジで面白いすね。ちょっと、思ってる以上にハナコヤバいと思いますね。相当面白い」とその予想をはるかに超える実力に言葉が見つからない様子。

そしてダウンタウン松本も「結成4年でこのレベルは凄い。2本とも面白かった。もし今回優勝できなかったとしても、将来が相当期待できる」と絶賛した。

 

ワタナベエンターテイメントの芸人として初めての賞レースのチャンピオン誕生ということもあり、放送終了後すぐに会長・社長から祝福の電話があったという。

そして優勝から2時間後の『大反省会』に遅れて到着した頃には、すでに800件のLINEメッセージが届き、20本以上のテレビ出演が決まっていた。

 

最終決戦のネタを披露した後、いちばん出番の少ない菊田が、さまぁ~ず大竹やダウンタウン浜田から「おまえはいらないんじゃないか?」と冗談でイジられる場面もあった。

しかし紹介VTRで秋山が「コンビよりトリオのほうが絶対に強い。人ひとり多く使えるってことはめちゃくちゃでかい」と語ったように、2本目の菊田の使い方は絶妙で、あれがなければ絶対にあんなに面白いコントにはなっていないだろう。

トリオというものの強さ、新たな可能性の拡がりをあらためて思い知った気がした。

惜しくもファイナリストになれなかった者たち

https://www.instagram.com/p/Bn8qtFdlNTi/?tagged=%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%AB

準決勝で闘った32組から10組がファイナリストに選ばれたが、選ばれなかったほうの22組にも実はなかなか豪華な顔ぶれが揃っていた。

2013年の王者かもめんたるを筆頭に、ジャルジャル、ジャングルポケット、うしろシティ、ネルソンズ、相席スタート、しずる、うるとらブギーズ、大自然、阿佐ヶ谷姉妹など、錚々たる顔ぶれが、実は落ちているのだ。

https://www.instagram.com/p/Bm_IMA2ByC1/?tagged=%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%9D%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88

決勝で良い結果を残せなかったファイナリストたちも、上記のような売れっ子芸人や元王者を抑えて決勝に進出している実力の持ち主ということなのである。

 

ハナコはもちろんこれから一気にブレイクし、ネタ番組やバラエティで見る機会が多くなるだろうが、今回のネタで「トリオ・コントの面白さ」というところにも注目が集まるといいなと個人的には思う。

https://www.instagram.com/p/Blno5aKAljR/?tagged=%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%82%BA

今回はファイナリストになれなかったものの、今が旬のネルソンズ、ジェラードン、トンツカタンなどのトリオ・コントはとても面白いと思うし、トリオ漫才では四千頭身もブレイク寸前だ。この流れで彼らの鮮烈な面白さもまた、注目されてほしいなと思う。

https://www.instagram.com/p/BoDFytWnTmZ/?tagged=%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%AA%E3%83%96%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%882018

今年の『キングオブコント』はレベルの高い激闘だった。ホント、面白かった。

また来年も、今年のような充実した闘いと新たなスターの出現、見たこともない斬新なコントを楽しみにしたい。