松本人志や千原ジュニアがよく言う、「お笑いの世界では、ホントにオモロいやつは絶対に売れる」という至言をわたしは信じています。
だから、まだあまり全国的な知名度はないけど面白い芸人さんをTVで見かけると、「ああ、きっといつか売れるんだろうなあ」と思います。
いつか絶対ブレイクする! 人気若手漫才師5選
とくに最近はM-1グランプリ、R-1、キングオブコント、THE Wなど全国的に関心の高い賞レースが増え、優勝したりあるいは爪痕を残せば一夜にして大ブレイクするという現象もあたりまえになってきました。
とろサーモンやハリウッドザコシショウなど、少し前までなら「面白いのに売れないマニアックな芸人」と思われていた芸人さんでも、賞レースをきっかけにスターダムに上がるようになりました。このような風潮は1人のお笑いファンとして嬉しい限りです。
そこで今回はまだ「きっかけ待ち」だけれども、とにかく面白いのだからいつかはきっとブレイクするに違いない、という芸人のみなさんを、漫才師に絞って5組取り上げてみたいと思います。
ダイアン
2000年結成 よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属
ボケでネタ作り担当の西澤と、ツッコミの津田のコンビ。
NSC大阪校の22期生で、キングコングや南キャン山里、ウーマン村本、ノンスタイル、ピースなど黄金世代の一角を占めるコンビです。
2007年、2008年はM-1グランプリ決勝に進出。それ以降、ネタ番組にもよく登場しますし、大阪ではレギュラー番組もあり、もうすでに売れていると言ってもいいかもしれません。
しかし彼らの実力からすれば、今後もっと全国区で人気を得て、ブレイクしてもいいんじゃないかと思います。
西澤本人も自虐的に「人気ないヤツ(西澤)とまったく人気ないヤツ(津田)」と言うほど、ダイアンは実力はあるのに華がない、人気がないと言われることもあります。
NSCの講師には「自分ら、オモロなかったら即死やで」と言われたこともあるそうです。オモロくて本当に良かったです。
漫才もうまいですし、無表情・脱力系の西澤は独特のセンスのボケが面白く、対照的にテンション高めに汗をかきながら、早いタイミングでツッコむ津田の、2人のキャラクター組み合わせも絶妙だと思います。
津田はその天然な言動も面白いのですが、東京の番組で「大阪のメイクさんはオバハンばっかり」とネタにしてメイクさんたちに嫌われ、大阪の番組ではノーメイクで出演しているそうです。
お薦めネタは「職務質問」「路上喫煙」「サンタクロース」等々。
『お笑いワイドショー マルコポロリ!』(関西テレビ)
『You Gotta NMB48』(Kawaiian TV)
霜降り明星
2013年結成 よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属
第38回ABCお笑いグランプリ 優勝したのは・・・『霜降り明星』!!
爆笑の決勝ネタ動画&涙の優勝コメント動画はこちらをチェック!#ABCお笑いグランプリ #霜降り明星https://t.co/T0x59AyDjP pic.twitter.com/B1vHz8ZbtL— ABC朝日放送 (@asahi_tv) 2017年7月9日
その容貌が「スプーンに映った小栗旬」と言われるツッコミの粗品と、モノマネも得意な天然キャラのボケ、せいやのコンビ。
前回の記事『2018年にブレイクしそうなお笑い芸人ランキングベスト10!』には迂闊にもこの霜降り明星を入れていなかったのですが、投稿直後に放送された『人志松本のすべらない話』で、せいやがまさかのMVSに輝き、一夜にして全国のお笑いファンにその名を知らしめることになりました。
ハイテンションで圧倒的な勢いとパワーの衝撃的な話術で、大先輩たちから力業で爆笑を奪い、もう結果を聞くまでもなく、MVSだと確信するほどでした。
これがきっかけとなって、霜降り明星の知名度やメディアへの露出が激増することは間違いないと思います。
一方、相方の粗品はもともと漫才のツッコミの力強さやワードセンスに定評があり、彼らの漫才は、せいやが一見わけのわからないボケをすると、粗品が的確すぎるツッコミでそれを回収し瞬時に笑いにするというスタイルになっています。
昨年『本能Z』に出演した際も漫才を披露しましたが、そのツッコミを今田耕司が絶賛したほどです。
また、粗品はピン芸人としてもR-1グランプリなどに出場しており、フリップに次々とツッコんでいく「高速フリップ芸」もめちゃくちゃ面白いです。
そして最近は、『THE W』で優勝したゆりやんレトリィバァが現在ガチで恋している相手として粗品の名前を挙げたことでも話題になりました。
お薦めネタは「小学校」「カラオケ」「お寿司」等々。
『霜降り明星のだましうち!』(MBSラジオ)
笑撃戦隊
2007年結成 ワタナベエンターテインメント所属
いつも帽子を被っているボケの柴田と、やしろ優と結婚したツッコミの野村のコンビ。
彼らのネタの中でもなんといっても面白いのが、2015年頃から始めた、ツッコミを先に言って、後からそれに合うようなボケを言うという、画期的な漫才です。
ツッコミとボケの順序を逆にするというだけで、なんでこんなに面白くなるのだろうと感心するほどですが、ツッコミの後で絶妙にしっくりくるボケを言われると「ああ、確かに」と思わず笑ってしまいます。
テンポよくボケを連発していくような漫才とは真逆で、ちょっとのあいだボケを考える間を取ったりするアドリブっぽいリアリティが新感覚でまたいいです。正直これ、何時間でも見てられるほど面白いです。
このネタはあるライブで野村が間違えて先にツッコんでしまったところから生まれたそうですが、「お笑い界に衝撃を与える」という意味でつけたコンビ名の通り、まさに衝撃的なスタイルと言えます。
ワタナベエンターテインメントの芸人たちがネタで競い合う《ワタナベお笑いNo.1決定戦2016》でも、ハライチやロッチ、アンガールズなど、錚々たる先輩芸人たちを倒して優勝しました。
お薦めネタはもちろん彼らの代表作である「先ツッコミ」ですが、他にも、子供たちがわからないかもしれないという理由で、ネタに出てくる言葉の意味を延々と説明していく「かもしれない漫才」など、一風変わったネタが持ち味です。
近い将来、必ずM-1グランプリの決勝に勝ち上がり、日本中に「笑撃」を与えてくれることと思います。
本日の笑撃戦隊とイヌコネクションのツーマンライブ『撃コネ』あざしたー📌
2回目もやって欲しいというニーズが集まり次第やりますので意見ちょーだい📌
今日だけの宣材写真を添えて📌 pic.twitter.com/dFlCKGTUik— 柴田アイスピック (@IcePickBoy) 2018年2月6日
宮下草薙
2016年結成 太田プロダクション所属
気弱なキャラでボケの草薙と、元ピン芸人でツッコミの宮下のコンビ。
彼らの名を世に知らしめたのは2018年の元旦に放送された『ぐるナイ おもしろ荘』でしたが、このとき彼らはまだ無所属の状態でした。
太田プロエンターテインメント学院東京校芸人コースを卒業したものの、『おもしろ荘』出演時は太田プロから本契約をまだしてもらえていない状態だったため、先輩の有吉弘行に太田プロに入れて欲しいと懇願していました。
コンビ名もまだ仮だったため、カッコいいコンビ名をつけて欲しいと頼み、天才・滝沢カレンがその場で「極上弱気」という名前を考えました。
わたしはすごく良いと思ったのですが、本人たちはなんだか嫌がっていましたね。
太田プロのホームページでもまだ宮下草薙のままなので、結局コンビ名にはしなかったのでしょう。
『おもしろ荘』では3位入賞という好成績を収め、さらに有吉、岡村、出川の3人が「一番良かった」と名前を挙げました。
この出演をきっかけに、めでたく太田プロに本所属となったばかりの若い2人ですが、これから一気にブレイクするかもしれない期待の新星です。
お薦めネタはその『おもしろ荘』でも披露した「ダーツ」ですが、宮下のピン芸人時代のネタ「ウサギとカメ」も面白いです。芸歴は浅いのに喋りも上手いなあと感心します。
宮下草薙@ピタットTV
ネタ飛ばしちゃって髪をぐしゃぐしゃにする草薙さん(可愛い)。占い結果に思わずにやける宮下さん(可愛い)。
(ネタの件でのコメントが「やると思った!」「期待通り」などだったのは視聴者の優しさですよね!(おい)) pic.twitter.com/qunql7gD9n— きょう@お笑い垢 (@kyo_owarai) 2018年2月10日
プラス・マイナス
2003年結成 よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属
NSC25期生で、同期にはジャルジャルや銀シャリ、スリムクラブなどがいます。
M-1グランプリは準決勝が最高ですが、R-1グランプリ2013では岩橋がピンとして決勝に進出しています。
そのツッコミの岩橋はご存知の方も多いと思いますが、「やってはいけない」と言われたり「これをやったら怒られる」と思ったりすると、もうどうしてもそれをしないと我慢できないという、はた迷惑なクセがあります。
番組でせっかく並べたドミノを突然衝動に駆られて倒してしまったり、ぼんちおさむ師匠がギャグをやっている後ろでもっと目立つように振舞ったり、漫才のネタ中でもぶち壊してしまったり。
本人はこの自分ではどうにも止めようがないクセに子供の頃から悩み、芸人になってからもできるだけ隠そうとしていたのですが、転機が訪れたのはダウンタウン浜田との出会いでした。
岩橋が浜田に初めて会ったとき、浜田はプラス・マイナスの漫才をテレビで見たと言い、「おまえのあそこのツッコミのトーンは一定やから、もっと緩急をつけた方がええわ」というアドバイスを岩橋にくれたのでした。
若手芸人にすれば、初対面で浜田から直接アドバイスをもらえるなんて夢のようなことなのですが、そのとき岩橋はいつものクセの衝動が抑えられず、「絶対やってはいけない」と思いながらも浜田の顔に鼻がくっつくぐらいの距離まで自分の顔を近づけ、「べー!」っと舌を出したそうです。
「やってしもた…。何もかも、終わった」と思ったそうですが、浜田は「なにしとんねん!」とツッコんだ後で大笑いし、「おまえ、オモロいやないか」と言ったそうです。
浜田は岩橋からクセの悩みも聞き、「いろいろあるかもしれんけど、絶対にやり続けろ。もし、どこかで何か言われたら、オレがやれと言ってるからと言うたらええ」と大親分みたいなことまで言ってくれ、その後はプライベートでも旅行に連れて行くなど、岩橋を可愛がるようになりました。
以来岩橋もクセを隠さなくなると、番組で先輩芸人にそのクセを面白くイジってもらえたり、クセの発動を狙ったドッキリにかけられたりすることも増え、その唯一無二の天然キャラクターの面白さが認められていきました。
さらにプラス・マイナスは、漫才もとても面白い実力派でもあります。
テンポの良さとキレのいいツッコミ、ハキハキした声のトーンは聞いていて気持ちがいいぐらいですし、オーソドックスな浪花の漫才らしいネタから、後半どんどんぶっ飛んだ展開になっていくパターンもあったりと、予測のつかない面白さがあります。
これまで大阪以外ではあまりネタ番組でも見かけることがありませんでしたが、彼らの漫才の面白さはもっともっと広く知られていいと思います。
最近はテレビ東京の『にちようチャップリン』にも度々出演して漫才を披露しているので、このあたりをきっかけに全国区になってくれるといいなあと思います。
お薦めネタは「引っ越し」「ペット」「消防士」等々。
歌の練習をしたいけど、色々な曲につられちゃってなかなか歌えない兼光くん。
岩橋くんが軌道修正しようとするけれど…。あさ6時20分ごろ…ショート寸前漫才「プラス・マイナス」登場!!https://t.co/X5Fr2t3s4T#明日のZIP! #ワラガチャ! #ZIP! pic.twitter.com/0HNpYCckU0
— ZIP! 日テレ (@ZIP_TV) 2017年10月3日
漫才師以外にも、2018年ブレイクしそうな芸人の記事も書いています!
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