『M-1グランプリ2016』王者にもなった、結成14年目の銀シャリ。漫才の上手さはもちろんのこと、平場でのトークの実力も素晴らしいものがあります。1つのボケに対し速射砲のように3つも4つも返って来る橋本のツッコミは近年ますます磨きがかかっていますし、鰻の天然エピソードもますます拍車がかかっています。
ここではそんな、銀シャリ橋本・鰻の面白いボケ・ツッコミ・トーク、そしてコンビ誕生秘話や下積み時代のエピソードをまとめてみました!
お笑いオールラウンダー銀シャリ おもしろエピソード
鰻の天然伝説
橋本:このまえ一番ひどかったのが、「風邪の季節やから、洗面所行ってうがい手洗いしてくる」って言って。そしたら普通、聞こえてくるのは「ガラガラガラガラ」じゃないですか。「ああーーーーーッ」って聞こえてきたんですよ。こいつまさかの、水含んでなかったんですわ。
全員:(笑)
鰻:1回だけやりました(笑)
橋本:大きな声で「ああーーーーー」って(笑)
引用元:『イッテンモノ M-1王者が緊急参戦!シャッフル漫才SP!!』 2018年1月3日放送
鰻の天然伝説2
ゲストの川栄李奈が計算が苦手で、コンビニなどで小銭を少なくする出し方が出来ないという話から。
橋本:お釣りの件で言うたらこいつ(鰻)もありますよ。タクシー820で、1020円出して、そこはカッコいいんですけど、「お釣りいいです」って。
全員:(笑)
大悟:そこは1000円やわ(笑)20円は何代や(笑)
引用元:『イッテンモノ』2017年9月30日
鰻の天然伝説3
鰻:自分でもたまにびっくりするんですよ。ミスというか。まあ鍋とかしてるじゃないですか。そのときしゃぶしゃぶで、ポン酢につけて食べてたんですよ。それ繰り返してたら、「味うすっ!」ってなったんですよ。ポン酢が薄なってんのかなって思ったら、ポン酢にしゃぶしゃぶして、お湯にサッてつけて食べてたんですよ。
全員:(笑)
引用元:『イッテンモノ』2017年9月30日
鰻の天然伝説4
高校のマドンナ的存在だった同級生の女性と結婚した鰻。付き合っているときはなんとか彼女を繋ぎ止めようと、毎月彼女にしりとり形式のプレゼントをしていたという。
鰻:「あ」から始めまして、「合鍵」、次が「銀シャリ(米)」、「りんご」「ゴディバ」「バッジ」「自由席のチケット」とか、やっていったんですよ。
ノブ:へーっ。すごいな。
橋本:1回夜中に電話かかってきたんですよ。「橋本、バッジって「バッチ」か「バッジ」かどっち?」って。
全員:(笑)
橋本:マジでどうでもいい。
大悟:次が間違ったらあかんからな(笑)
鰻:大事なんですよ。
引用元:『イッテンモノ』2017年9月30日
原付の振動恐るべし
橋本:一人旅マスターですから。福岡も行ってますし、名古屋も全部原付で行って。
鰻:あと毎回お土産も買うんですよ、せっかくなんで。一回、三重県で赤福っていう、餅をあんで包んだやつを買ったんですよ。
ノブ:ああ、はい。有名なやつ。
鰻:家帰って食べようとしたら、やっぱり原付って振動が凄いんですよ。あの6個入りが、開けたらでっかい1個になってたんです。
全員:(笑)
引用元:『イッテンモノ M-1王者が緊急参戦!シャッフル漫才SP!!』 2018年1月3日放送
綾部の「逆に」
『アメトーーク さよなら綾部』に橋本が出演。活動の場をアメリカに移すことになった綾部に、別れを惜しむ仲良し芸人たちが激励をこめて、綾部らしいエピソードを披露する。
橋本:だいたい僕、劇場の出番の合間に誘っていただけるんです、ランチを。なんか「逆に」っていう言葉が実はけっこう口癖で、「原宿行く? 逆に蕎麦だろ?」みたいな。原宿の逆が蕎麦なんかわかんないですけど。
全員:(笑)
橋本:ほんで、電車に乗りまして、「いや電車で行きますか? タクシーじゃなくていいんですか。顔ささないですか?」って訊いたら、「いや、おれクラスになると逆に見てこないぞ」って(笑)
引用元:『アメトーーク さよなら綾部』2017年4月6日放送回
青のジャケット
『アメトーーク 今年が大事芸人2018』にて、橋本が現在のリアルな不安と悩みを語る。
橋本:青いジャケットやからね、覚えてもらいやすいんですけど、こっからどうすんねんて。全然脱げないんですよ。
全員:(笑)
蛍原:それが銀シャリっていう…
橋本:たまに忙しい時に、「そのまま移動してください」っていうときがあって、タクシー乗る時も。ほなタクシーの運転手さんも、おんなじ揃いのやつが後ろ座ってるんで、タクシー運転手の研修やってるのかと。
全員:(笑)
橋本:これで移動すんのも恥ずかしいですし。
宮迫:やり続けていった方がいいような気もすんねんけどなあ。
橋本:他人事やからですよ、それやっぱり。永遠に青着てるんすよ、もう10年ぐらい。たまに着替える時間なくて、このまま家帰るときあるんすよ。青ジャケット、床に叩きつけるときありますよ。
全員:(笑)
鰻:あるんですよ、ホンマにあります。
橋本:一回ヘンな夢見たんすよ、僕はもう脱ぎたすぎて、白いワイシャツで逃げてるんですけど、その青いジャケットだけが後ろから追いかけてきて、羽織ろうとしてくるんです。
全員:(笑)
引用元:『アメトーーク 今年が大事芸人2018』 2018年2月11日放送回
M-1、2連覇
橋本がよく、とろサーモン久保田と間違えられるという話から。
橋本:最近ですけど、居酒屋に後輩と行ったら、店長さん出て来はって、「おめでとうございます」って言って、船盛りみたいなのが出てきたんですよ。「僕で合ってます?」って言ったら、「いや、おめでとうございます」って。お造りの盛り合わせやったんですけど、3切れずついろんなやつが乗ってるんですけど、サーモンだけが8切れぐらい乗ってたんで、絶対とろサーモンと間違えられてるんですよ。「ちがいます」って言っても「いやいやそれはもうわかってるんで」みたいな。受け入れてくれないんですよ。あと、ちょっとだけネットでも、おれだけ2連覇したみたいに思ってる人がいるんですよ。
全員:(笑)
久保田:じゃあ、それでええやん(笑)
引用元:『アメトーーク 今年が大事芸人2018』 2018年2月11日放送回
コンビ名の由来
『VS嵐』にて、コンビ名の由来を訊かれて。
橋本:お互い、明日までに20個ずつ考えてこようってなって、唯一1個だけ、「銀シャリ」が被ってたんですよ。
全員:へえーっ。
鰻:ほんならこれでええか、っていう。
橋本:他にもいろいろ変なやつあったよな。
鰻:いろんな候補がありまして、橋本が言うた「うきうきサイパンズ」っていうコンビ名もあったんですけど(笑)「銀シャリ」で良かったなと思います。
櫻井翔:「うきうきサイパンズ」いいけどなあ(笑)
引用元:『VS嵐』2018年月日放送回
隙あらば上手いことを言おうとする橋本
『にけつッ!!』に銀シャリの2人がゲスト出演。橋本が、ケーキを食べるフォークに関する話をした後で。
ケンコバ:特に橋本の下唇をくぐり抜けたフォークは嫌やな。
橋本:そうなんですよね、分厚すぎるから。元々は薄かったんですよ、でもなんか歴代の彼女たちがねぶりついてきたからちょっと太くなって。
ケンコバ:なんやねん、おまえ。
橋本:フォークだけに「落ち」が大事かなと思って(笑)
ケンコバ:やかましいっわ!!
鰻:こいつ、ホンマにこういうのをすぐ入れてきますわ(笑)
ジュニア:隙あらば(笑)
橋本:みなさんにね、刺さる話やったらよかったんですけど。フォークだけに(笑)
ケンコバ:コンプライアンスがもう少し甘い時代やったら「殺すぞ!」って言うてたわ(笑)
引用元:『にけつッ!!』2018年6月27日放送回
鰻の言い間違い
『アメトーーク』の人気企画「立ちトーーク」に橋本が出演。「言い間違い」のトークテーマの流れになり。
橋本:言い間違いは僕の相方も特にひどいんですよ。
宮迫:ああ、鰻はな。
橋本:まずあの、「デップとチール」って言ってました、このまえ(笑)あとね、ギュッとしがちなんですよ、言葉を。たとえばなんですけど、「同じ釜の飯を食った仲や」って難しい言葉を使いたがるんですけど、キュッとしすぎて「同じ釜飯食うた仲や」とか(笑)釜飯をシェアしてる感じで。
全員:(笑)
橋本:あと、「同じ穴のムジナ」あるじゃないですか。「同じアルマジロ」って言ってましたからね(笑)一番ひどかったのは「おまえが蒔いた種やろ」って言うところを、「おまえが炊いた豆やろ」って言ったんです(笑)「いや、豆炊いてないから、おれ」って。
引用元:『アメトーーク 立ちトーーク』2018年11月1日放送回
異名
橋本:僕ら銀シャリっていうんですけど、ある方だけ僕らを銀シャリって呼ばない方が師匠にいらっしゃいまして。
宮迫:ほう。
橋本:今くるよ師匠だけ、僕らのことを青空ピン児・ポン児って呼ぶんですよ(笑)「ああ、青空ピン児・ポン児!」って。どっちがピン児かもわかんないんですよ(笑)
引用元:『アメトーーク 立ちトーーク』2018年11月1日放送回
鰻の天然伝説5
橋本:僕の相方はただただヘンなやつで。缶コーヒーとかを開けてね、人と喋ってて、開けたことを忘れてるんですよ。「ああ、そうなんや…」って、そっから振り出すんですよ(笑)
バカリズム:逆になってんだ(笑)
橋本:それでビシャビシャになったりとか(笑)あと、先輩に銭湯に連れてってもらったときに、「いま何時?」って訊かれて、時計を見に行ってくれっていうことだと思うんですけど、先輩は。ほんなら鰻がパッと(腕時計を見るように)「5時45分です」って言ったんですけど、それ、ロッカーの545番なんですよ(笑)
宮迫:マジか!?(笑)
引用元:『アメトーーク 立ちトーーク』2018年11月1日放送回
コンビニの外国人店員の話
橋本:昔住んでたマンションの下がコンビニでして、そこにたぶん留学生だと思うんですけど、バイトのリャン君て方がいらっしゃるんですけど。お会計したときってだいたい「1020円になります」とか「1020円です」じゃないですか。「1020円でいいです」って言うんです、毎回(笑)「864円でいいです」って、なんかちょっとマケたった感を出すんですよ(笑)あれちょっとだれか直したってほしいんです。
引用元:『アメトーーク 立ちトーーク』2018年11月1日放送回
止まらない橋本
『吉本お笑いオーケストラ2018』にて。漫才を披露した後で、MCの陣内智則が銀シャリにコメントを求める。
陣内:2018年はどんな年やったの?
鰻:6月に子供が産まれまして。
陣内:そうか、そうか。
鰻:2,894グラムの鰻が産まれたんですけども(笑)
陣内:でっかい鰻が産まれて来たな(笑)
橋本:まだ「稚魚」って呼んでます(笑)
陣内:おまえは黙っといて(笑)
鰻:ちゃんとうまいこと成長してくれるか心配で。「鰻」って苗字ですし。
橋本:もし悪いことなんかして裁判とかなって新聞とか載ったらね、「鰻さばかれる」って書かれるから(笑)
陣内:もう、ホンマにええ加減にせえよ(笑)
橋本:なんで怒られてんすか(笑)
陣内:(鰻に)子育てもできてる?
鰻:子育てもなんとか。あんまり動かないですけどね。動かないていうか、どう言うたらええですかね(笑)
橋本:古時計みたいに言うてます。「今はもう動かない」て(笑)
陣内:はい、逮捕。はい、11時50分逮捕(笑)
引用元:『年忘れ! 吉本お笑いオーケストラ2018』2018年12月30日放送回
銀シャリ誕生秘話
キングコング梶原によるYouTube公式チャンネル『カジサックの部屋』に銀シャリの橋本・鰻が出演。銀シャリ誕生への長い長い道のりと、M-1優勝までを語る。
カジ:そもそも銀シャリって、どういう出会いなんですか?
橋本:僕ら養成所NSCに入ったんですけど、それが2001年にちょうどM-1が始まった年、中川家さんが優勝した12月が明けての4月の入学生やったんで、だからめっちゃ人が多かったんですよ。
鰻:そうなんです。
カジ:ちなみに同期ってだれがいるんでしたっけ。
橋本:ジャルジャル、プラス・マイナス、アキナの秋山とか。
鰻:あと、バンバンビガロ。
カジ:あ、もりやすバンバンビガロさん。
橋本:なんで「もりやす」を抜くねん(笑)
カジ:お二方は、一緒に入ったんですか? それともバラバラですか?
橋本:バラバラです。
カジ:じゃ、知り合いじゃなかったの?
橋本:知り合いじゃないです。
カジ:えっ、同級生感エグいですね!
橋本:ありがとうございます。それは嬉しいですね。
鰻:年齢、全然違いますよ。
橋本:年齢も同じと思われんのよ。
カジ:いやいや。全然上に見えますよ(笑)
橋本:僕の嘘ベビーフェイスと相まって…
カジ:僕と同い年ですよね?(笑)
橋本:1980年生まれ。
カジ:僕、1980年生まれです。橋本世代です(笑)
橋本:結果、松坂世代です(笑)
カジ:どういう風に出会ったか、聞きたいです。まず、違うコンビを組んでたとか。
橋本:NSC1年間、1回も出会ってないです。
鰻:そうなんです。
カジ:え!?
橋本:養成所時代、約900人いるんで、クラス分けもすごく多いんで。1回も会ってないです。
カジ:その1年間はどういう活動をされてたんですか?
橋本:別のコンビで僕は組んでました。
カジ:なんていうコンビ?
橋本:6組ぐらい組んでたんですよ。
カジ:そんなに!?
橋本:ピン芸人の時代もありました。橋本サラダっていう時代もあったんですよ。
カジ:橋本サラダ??
橋本:カルパッチョ橋本とかもありましたね。
カジ:サラダ系が好きなの?
橋本:阿部サダヲさんみたいな感じで、もし映画とか出たときにカタカナが入るとテロップ的にカッコいいかなと(笑)
カジ:それはやっぱりサラダを使ったひとりコントとかされてたんですか?
橋本:ただのフリップ芸です(笑)
カジ:鰻さんは?
鰻:トリオを組んでました。黄色・赤・青のTシャツで。僕、黄色でした(笑)
カジ:トリオ名は?
鰻:「ポジションパーラーすえすえ」。
カジ:(笑)
鰻:ポジションとパーラーとすえすえです(笑)
橋本:その付け方も、ボックスに好きな言葉入れて、引いた順番で、ポジションが出た、パーラーが出た、すえすえが出た(笑)
カジ:あ、3人トリオだから3つ選ぼうよ、みたいな。橋本と出会って良かったねえ~(笑)その、すえすえさんはどれぐらいやってたんですか?
鰻:2年ぐらいやってたと思います。
カジ:あ、結構長めにスベってたんですね。
鰻:ツッコミが、なんかあったら「解散するぞ」って言うんです。僕ら2人が解散したくないのを知ってて…
カジ:あ、脅し文句みたいな。
鰻:最後、ホンマに2人で「じゃ、解散で」って言おうかってことになって。
カジ:えっ、どうなったんですか?
橋本:2人が口裏合わせてたんで、「解散や」って言われたときに「オッケー、解散!」て。
鰻:ほんならビックリして、「冗談やん…」みたいなメールをすごい長文で送ってきたんですよ(笑)
カジ:それで終わり?
鰻:それで終わりです。
カジ:それでその2人でコンビでやったんですか?
鰻:そのコンビでちょっとだけやりました。
カジ:そのコンビ名は?
鰻:「魚ブギ」っていう。
カジ:(笑)
鰻:替え歌デュエットをやってました(笑)
カジ:どうやって橋本と鰻が出会ったんですか?
橋本:人数多かったんで、bassよしもとっていう若手の劇場もオーディションに受からないわけなんですよね。で、自分らで若手で小屋を借りたんですよ、お金を出し合って。そのときに違うコンビでお互い出てたんです。
カジ:そのときはブギじゃなくて?
鰻:そのときはブギじゃないですね。「鰻・山崎」の時代もあるんですよ。
カジ:あ、山崎さんと鰻さんで。
鰻:そのときに初めて橋本と顔合わした感じですね。
カジ:そのときはなにしてはったんですか?
橋本:「アナンダマイド」ですね。
カジ:アナンダマイド?
橋本:はい。人が幸せと感じたときに脳内から発生する物質、という。
カジ:別に訊いてないですけど(笑)
橋本:そういうやつなんですよ、僕(笑)
引用元:『カジサックの部屋』2019年2月5日公開
銀シャリが出来るまで
カジ:ちょっと、楽しくて全然話が進まへん(笑)ちなみに、今まだ2人出会ってないですからね。もうかれこれNSC入ってから4年経ってますよ。
橋本:そうそう。で、同時に解散したんですよ。
カジ:あ、ちょうど。
鰻:そんとき橋本は、「ビールズ」っていうコンビやったんですけど…
カジ:いろいろやってんなあ、もう(笑)
橋本:その前が「雷こんにゃく」っていう(笑)
カジ:(笑)食べもん好きなんすか?
橋本:雷こんにゃくっていう郷土料理で、こんにゃくを炒めるときにパチパチっていう…
カジ:訊いてないですから(笑)
橋本:こういうヤツなんですよ、僕(笑)
カジ:(笑)
橋本:めっちゃ楽しいですね(笑)
鰻:ここまで詳しくコンビの馴れ初めを言ってんのは初めてです。
カジ:ホントにありがたいですわ~。
鰻:そのビールズで橋本の相方だった、安井まさじっていう…
カジ:あっ、大阪の新喜劇されてる。
鰻:僕と仲良かったんです。2人でよう飲んだりしてたんです。で、まさじが「解散したわ」みたいな。
橋本:そんときは円満に解散してたんですよ。
カジ:仲悪いとかじゃなく。
橋本:はい。
鰻:そんときに、僕も解散してたんで、「おまえ、橋本と合うんちゃう?」って。
カジ:安井さんが鰻さんに? ほう。
鰻:「橋本のツッコミええで」みたいなこと言われて。「ああ、そうなんや」って思いました。
橋本:お互い、実力を認め合っていないんですよ、その当時。だから、鰻って言われても「どいつや?」っていうぐらいで。
カジ:そんな特徴的な名前で、しかも食べもんやし、大好きな(笑)どっからどう引かれ合ったんですか?
鰻:「ほんなら電話してみるわ」ってすぐ行動したんですよ。
カジ:急に電話来てビックリしたでしょ?
橋本:ビックリしました。
カジ:安井さんからフリはあったんですか?
橋本:ないです。
カジ:ええっ!?
橋本:知らん番号から掛かってきました。
カジ:うわっ、すご! 出たんですか。
橋本:出ました。その当時よしもとから、知らん番号からよう掛かってきてたんで。「明日エキストラ行きませんか?」とか(笑)
カジ:ほんで、出て?
橋本:夜の8時ぐらいやったんです。憶えてます。
鰻:「同期の鰻です」って。コンビ組むって言うのもちょっと恥ずかしかったんで、「飲みに行こうよ」って。
橋本:でも僕、メシ食った後やったんで「いや、ええわ」って言ったんですよ。
カジ:断ったんすか(笑)
鰻:「遠い」みたいな。僕が八尾に住んでたんです。橋本が伊丹で。距離で30~40kmぐらいあると思うんです。遠いんですよ。「ほな原付で伊丹まで行くわ」と。
カジ:ほう!
鰻:「それやったら一緒にご飯食うてくれる?」みたいな。
橋本:伊丹の居酒屋さんで、鰻はもちろん原付で来てるから飲めないですけど、「飲んでええで」とか「食べや」とか言うてきて。同期やのに何言うてんねんコイツと思って(笑)
カジ:ちょっと上から(笑)
橋本:あと、原チャリで来る時間分、僕もやっぱりその時間で腹減って(笑)麻婆豆腐みたいなん食ってたな、鉄鍋の。熱々のやつ。
鰻:美味しそうに食うてたな。
カジ:ごめんなさい、話進めてもらっていいですか(笑)
橋本:正直言うと、相方、次決まってたんですよ。
カジ:ええっ!?
橋本:コンビ組んでくれっていうオファーが結構あって。
カジ:ああ、人気者だったんだ。
橋本:おかげさまで、次の相方と1カ月、その次の相方と1カ月、3人目の相方と1カ月って、3人に了承を得てたんです。
カジ:ええーっ!? 凄いな、それ!
橋本:えらそうな話ですけど、オーディションみたいな形になっちゃったんですよ。
カジ:ていうことですよね。
橋本:その鰻とご飯食べに行ったときに、僕がトイレ行ったんですよ。で、帰ってきたら、お会計、こいつが払ってたんですよ。4千円ぐらいです。憶えてます。
鰻:言うたら、4番目になるわけじゃないですか、僕。先にお会計払ったから、ちょっと順番を1番上に持ってきてくれへんか、と。
カジ:ズルっ(笑)
鰻:割り込んだんです。
カジ:それはもちろん許さないですよね?
橋本:いや、それはあの、お金無かったんで。「まぁ、ええよ」って(笑)
鰻:それで一発目になったんですよ。
カジ:へぇーっ。
橋本:1回目の伊丹の公園の練習で、そこでめちゃくちゃ楽しかったよな?
鰻:楽しかったんです。めっちゃ楽しかったんです。
橋本:それでインディーズ・ライブ出て。そのときは「鰻(仮)」っていう名前ですよ、銀シャリじゃなくて。インディーズのランキングの上位に来てて、それで楽しいから、もう組もうって言ってないのに、自然に…
カジ:ちょっと待ってくださいよ。僕が気になってるのは、3人ですよ。どうなったんですか、2人目、3人目、4人目のオーディションは。待ってますよ、みんな。
橋本:1回提案しました。「その3人でやるっていうのはどうかな?」って。
カジ:えっ!?
橋本:提案しました。直接言いに行きました。
カジ:えっ!? えっ!? なぜその提案が出来るの!?(笑)「ちょっと待ってくれ橋本、とりあえずおれともやってくれよ」とは言われなかった?
橋本:それはなかったですね。感じたんでしょうね、なんか。
カジ:2人のコンビを見たときに、「うわ、パズルが嵌まってもうたわ」って思ったんかもしれないですね。面白いわー。そう考えたら、安井さんですよね。鰻さんに対してのひと言がなければ…
鰻:絶対組んでないと思います。
カジ:ねえ。まだ「すえすえ」で組んでるかもしれないですもんね(笑)復活の「S」。
橋本:フリーザの感じにするのやめてください(笑)『復活のS』は誰も観に行かないです(笑)
引用元:『カジサックの部屋』2019年2月5日公開
漫才に向き合った青春時代
カジ:M-1の話いいですか? チャンピオンになられたわけです、銀シャリさんは。何年前でしたっけ?
橋本:2016年です。
カジ:3年前ですね。それまで順風満帆ではなかったと思うんですが、どっかで漫才スタイルを変えたと思うんですよ。みんなそうなんですよ、チャンピオンの方々って。基本、変えてチャンピオンになってるんですよ。銀シャリさんも変えたんですか?
橋本:変えましたね。
鰻:…変えたん?
カジ:ちょっと、ピンと来てないですよ(笑)
橋本:こういうことなんですよ。
カジ:どういうことなんですか?
橋本:このまま使うしかないと思ったんですよ、鰻さんを。無理してたんですよ、やっぱり。
カジ:あっ、なるほど。
橋本:そのとき、1ボケ・1ツッコミみたいな感じでしたね。あと最初にボケを羅列さして、あと全部ツッコんだりとか。
鰻:ロボットみたいでしたもん。表情もなかったですもん。
橋本:聞いてないですから、お互いのセリフなんか。
カジ:当時? 変える前ってこと?
橋本:変える前です。
カジ:あー、なるほど。
橋本:だから4分10秒ってなったら、「さっき4分6秒やったのに、なんで4秒溢れてんねん。じゃあどっちかがおかしくなってるやん」とか。
カジ:うわー、すっご!! ロボットやないですか。
橋本:ロボットですよ。「さっきとイントネーションが変わってるやん」とか。
カジ:聞きたくなかった―!
鰻:でもこれが、楽しかったんですよ。
橋本:ネタが研磨されていく喜びを感じてましたね。
鰻:すごい良いのが出来ていくみたいな。
橋本:だから一緒にやってて良かったって思いました。青春でしたよ、なんか。言い合ってるのもなんか気持ち良かったっていうか。ホントに漫才に向き合ってるっていう喜びがあって。
鰻:原付で30~40kmを週5で行ってみてくださいよ。
カジ:すごっ!
橋本:そのあと千里中央にバイト行ってましたよ(笑)
カジ:「たまには来てくれへんかな」とか言わんかったの?
橋本:1回も「八尾に来てくれ」って言うてないです。
引用元:『カジサックの部屋』2019年2月5日公開
M-1優勝への長い道のり
カジ:で、どこで手ごたえはあったんですか? 変えていきなり優勝できたんですか? それとも何年か…
橋本:何年か経ってます。
鰻:変えてだいぶ時間かかったかな。
橋本:準決、準決、準決って行ってたんですけど、1回、3回戦で落ちたんです、急に。
カジ:準決も行けなかった?
橋本:はい。そんときに、もうVTRも見れないぐらいですけど、3回戦の予選の滑舌とかしゃべりがボロボロやったんですよ。
鰻:しゃべれなかったんですよ。
カジ:なんで?
橋本:機械過ぎたんですよ。
カジ:機械過ぎた?(笑)
橋本:もう機械が突き詰めたときには、エラーを起こすんです(笑)
カジ:(笑)
鰻:全ボケ噛んだんです。息の吸い方やらなんやかんや、忘れてもうたんですよ。
カジ:それ、ビックリしたでしょ?
橋本:ビックリしました。こういう漫才も限界かなって。どっちが悪いとかじゃないし、べつに2人のコンディションも悪くなかったんで。ということはそのネタが乗ってなかったとしかないんですよ、どう考えても。
カジ:うわー、やさしいっすねぇ。
橋本:そんときは、これどこにも言ってないですけど、泣きながら謝ってましたよ。M-1を獲るっていう目標でやってたんで。
鰻:もう、おかしなってましたけど、人間になっていくんですよ、ここから。ロボットやったのが、涙が出て、「橋本、ホンマにすまん、申し訳ない、おれのせいで」っていう。
カジ:で、翌年が?
橋本:また準決勝です。
カジ:その次に獲ったぐらいですか?
橋本:いや、その次で2010年ぐらいです。
鰻:決勝に残って。
橋本:だいぶ前なんですよ。
カジ:じゃあ、変えてからめちゃくちゃ時間かかったんですね。
橋本:かかってます。
カジ:めずらしいタイプかもしれないですね。
引用元:『カジサックの部屋』2019年2月5日公開
「銀シャリ」の由来
カジ:じゃ、最後に「銀シャリ」の名前の由来というか。
橋本:いよいよオーディションというときに「鰻(仮)」ではアカンということで、お互い20個ずつ出し合おうと。それで1個だけ「銀シャリ」が被ってたんですよ。
カジ:えっ!? すごっ。それはすごいすね。
橋本:ただここが問題なんですけど、僕は「銀シャリ」とカタカナだったんですよ。鰻はひらがなの「銀しゃり」だったんですよ。
カジ:出た!「すえすえ」の名残!(笑)で、そこは揉めた?
橋本:揉めましたよ。3時間ぐらい(笑)
カジ:どうやって落ち着いたんですか。
橋本:半紙とかに書いて。楽屋に貼られたとき、どんな感じかとか。鰻のほうが書道が上手いんですよ。「しゃり」の「し」とか、ええ感じで書くんですよ(笑)
カジ:でも結局カタカナになったのは、なんでそうなったんですか。
橋本:「シャリ」やと検索多いとかそんなんやったよな。ひらがなだとホンマのガチ米出てくるみたいな。
引用元:『カジサックの部屋』2019年2月5日公開